駒岡の歴史
駒岡町の岩瀬にある駒岡瓢箪山遺跡は通称「お穴様」といわれていた。
明治40年4月4日、瓢箪山を切り崩しその土を海の埋め立てに利用していた。
その掘削中、たくさんの丸石を取り除くと六尺四方ほどの穴が発見され、そのなかから人骨、鏡、勾玉、埴輪、刀などが発掘された。いわゆる古墳だったのだ。
そのころこんな噂が広まった。
たくさんあった丸石で 自宅に石垣を作った者が積んだ直後急死したとか、山崩しを手伝った者も発熱で寝込んでしまったとか。
その噂を聞いた盲目の老女が「罰を与えるだけの霊力がある神様なら信仰すれば私の目を治るだろう。」と参拝したところ、たちまち目の病気は治り、帰宅するときは杖を捨てて家に帰ったという。
今度はこの朗報の噂が広まり、我も我もとお穴様に参拝する人が増えた。その中には宝くじに当たったり、米相場で大もうけした者もいた。
当時、今の東京新聞は一日の参拝客一万人以上と報道。線香の煙は川崎駅のほうからも見えたと書いた。

「とうよこ沿線」編集室発行
書籍:わが町の昔と今より抜粋